菊池佳晴建築設計事務所

2022.01.12

冬の住み心地

自宅に住んでもうすぐ3年が経ちますが、
今日は実際にその住み心地について少しお話ししたいと思います。

我が家は仙台市内にあるのですが、今日みたいに雪が降り外気温が0℃前後になっても、
太陽がでれば無暖房でも20℃〜26℃の室温で家はポカポカ暖かく過ごせます。
仙台は日射量が多く他の地域より太陽がいっぱいでるので有難いです。

その分夜から朝方にかけて放射冷却により、
仙台でも氷点下3℃くらいまで外気温が下がるので、

部屋の空気温度はたまに19℃くらいまで下がることもありますが、
少し服を重ね着すれば十分暖かく過ごせます。

最初の1年目は、20℃くらいまで下がると少し肌寒く感じ、
暖房器具をつけて23℃前後の室温で生活していましたが、
周壁面温度(床壁天井窓などの温度)も20℃以上と常に高いため、
家に帰るといつも半袖短パンでアイスを食べてちょうど良い感じで、
パッシブハウスはやっぱり暖かいなぁと感じていました。
(もちろん真冬の話です)

ただ、昼間太陽がでたり、掃除や家事をして少し動くと暑いくらいになってしまう。
妻も子供もこの家は暑いと言うし、これはどうなんだということで、
2年目からは暖房器具を使わずほぼ無暖房で生活をしました。

ほぼというのは、
給湯もガスや電気を使わずに屋根に載せた太陽熱温水器がメインのため、

太陽がでない日が3日以上続くとお湯がなくなるので、
昔ながらに薪でお風呂などのお湯を沸かすのですが、
お湯8割、放熱2割というちょっと特殊な薪ボイラーのため、
お湯を沸かすとほんのちょっと(2割)の加温でも十分家が暖まるのです。
それでも1月〜3月に、1週間に1、2回、1日3時間程度
薪を炊くかどうかというレベルですが。

それに、無暖房にこだわりすぎるもの不自然なので、
今日は1日家にいるけど晴れなさそうだから、
暖房をつけるかということもごくまれにあります。人間だもの(笑)

そんなこんなで、基本的に暖房器具は使わずに、
19℃〜23℃の室温に合わせて衣服で調整をしながら
外気温と呼応した「ゆらぎのある生活」が、なんとも心地よく感じるようになりました。

冬は機械で暖房するのがあたりまえという思い込みが自分の中にもあったのですが、
なんとも贅沢な話ですが、暖房器具はなくてあたりまえに3年たってようやくなり、

だんだんとこの家に慣れてきた気がします。

日本ではまだ馴染みのない、ちょっと変わった家ではありますが、
これから少しずつ感じたままの住み心地を書いていければと思います。

菊池

「太陽で暖房する家」